必ず、まもると決めたから。


人混みを掻き分けるというよりも押し出すように進む大悟に大人たちは何も言わなかった。

第三者から見ても大悟は厄介な相手なのだろう。


「もう少しゆっくり歩いてよ」

「うるせ」


脇道に逸れて神社の社殿裏のような所に引っ張られた。人はおらず閑散としていて、大悟はやっと足を止めた。


「どこ行くのよ?」

「花火がよく見える穴場があんだよ。教えてやる」

「それは嬉しいけど、私、田中くんを待たせてるから」

「だから、案内してやるって言ってるんだよ。あいつと一緒に見ればいいだろ。だけど絶対に俺が教えたって言うなよ」


緊張が一気に緩む。
そっか、これも大悟の親切なんだ。そのやり方が強引だから誤解して恐れそうになるけれど、彼にとっての好意なのだ。



「ねぇ、私たちが廊下でぶつかったあの日もこうして私の腕を引こうとしたけど、どこに行くつもりだったの?」


「保健室…俺、鍛えてるから身体硬いし、ぶつかったおまえが怪我してないか気になって」


「だったら、初めからそう言ってくれれば…」


言いかけたと同時に、
背後から激しく砂利の踏む音が聞こえて、それは唐突に、大悟の身体を吹き飛ばした。


次の瞬間には、砂利の上で尻餅をつく大悟と、

私を庇うように前に立つ田中くんの後姿があった。




「…てめぇ、田中ァ!!」


「最後の忠告だ。二度と青山に関わるな」


すぐに立ち上がった大悟は田中くんの胸ぐらを掴んだ。


「違うの、田中くん」
「俺に命令するな!」

そう仲裁に入ろうとした私の声は、大悟の放った怒号に消されてしまった。