必ず、まもると決めたから。


思わせぶりな言葉はいらないよ。
期待したくなってしまうじゃないか。

奮発してお小遣いで買ったピンクの花の髪留めをお母さんにつけてもらいながら、口を尖らす。


「誰と行くんだっけ?」

「友達だよ」

「2人で?」

「違うよ」


着付けてもらった浴衣は薄紫をベースに艶やかで色とりどりの牡丹が描かれ、紫の帯が可愛らしいものだ。


髪も浴衣に合うようにゆるくお団子ヘアにしてもらい、ファッション雑誌を参考にしながらのメイクも上手くいった。今の私なら田中くんの隣りを歩いても胸を張れる気がする。


「好きな人も一緒?浴衣を着たいなんて初めて言われたから」


最後にスプレーで髪を固めた母と鏡越しに目が合う。


「…そう」


「へぇ。付き合ってるの?」


冷やかしではなく淡々と聞いてくるものだから、私も無表情で答える。


「私の片想いだけど」


「そっか。一緒に花火見れて良かったね」


「うん」


「片想いとか、そんなことをうだうだ考えないで、楽しんで来なさいよ」


「うん、楽しんでくる」


そうだね。今日は自分なりにおしゃれをして頑張ったんだ。子供達の付き添いだとしても、はしゃいでもいいよね!