「ありがとう。落ち込んでる時間があったら頑張らないとね…」
「それに、おまえが勉強できるようになったら、俺の役目がなくなるだろ」
「え?」
どういう意味?
「…花火大会だけど、6時に待ち合わせな。入り口前に花屋があるから、そこで」
「うん。楽しみにしてる!!」
先程までもやもやしていた気持ちが一瞬にして吹き飛ぶ。
気合い入れておしゃれして少しでも女の子と認識してもらえるように頑張らないと。
「フッ」
口元に弧を描き、不意に田中くんが笑った。
「え?」
「やっと笑った」
「……だって、楽しみなんだもん。田中くんと出掛けられるなんて嬉しすぎ」
「そうか。…おまえは、俺の隣りで笑ってればいいよ」
「……」
返答に困った私は田中くんを見つめる。
フラれた身としてはその言葉がなにを示すのか図れないでいる。
その答えを教えてはくれず、田中くんは数学準備室を出て行ってしまった。


