必ず、まもると決めたから。


放課後になっても愛ちゃんにかまう者はおらず、空気のように視線すら向けなかった。

それでも荒地に咲く一輪の花のように彼女は凛としていて、持ち前の美しさが失われることなく堂々としていた。


その隣りで私は眩しい光に目を背けて視線を逸らすそとしかできない。


「桜誠、本屋に行こうぜ」


廊下から顔を覗かせた新谷くんの声がして、クラス中の視線が彼に集まる。しかし愛ちゃんは彼に反応を示さず、携帯の画面に目を落としていた。


田中くんからは溜息が漏れる。


「校門で待ってるよーん。桜誠、早く来てね」


その明るい声とは裏腹に、ちらりと愛ちゃんに視線を向けた新谷くんは一瞬だけ冷ややかな目をした。


「新谷くん、また明日ね」

「新谷くん、バイバイ!」


立ち去る新谷くんに女子生徒が声をかけ、見送りまで盛大だ。それに笑顔で応えると、黄色い悲鳴が飛んだ。