必ず、まもると決めたから。


いつもはタマゴサンドと、シャケおにぎり、無糖の紅茶を昼食にする私だが、今日は珍しくお弁当を持ってきた。


「あれ?お弁当?」


私のミニトートを見て、既にからあげを頬張っている遥は聞いてきた。


「そ、今日はお母さんが午後から仕事だったから、お弁当作ってくれたんだ。花火大会の日も、浴衣を着付けるためにお休みとってくれたの」


「良かったじゃん、卵焼きの味見させて」

「どうぞ、どうぞ」


卵焼きとウインナー、鶏肉の照り焼きと野菜炒めなど栄養バランスを考えた中身に手料理の温かさを感じる。


ガラリと教室の扉が開いた。
今日はまだ大悟が登場していないのでクラスの大半が会話を止めて注目したが、入ってきたのは愛ちゃんだった。


久しぶりの登場にクラスから冷たい視線が飛ぶ。


数学準備室で新谷くんから辛辣な言葉を投げつけられたあの日から来なくなったが、先生からは映画の撮影でしばらく休むから困っていたら助けてあげて欲しいと話があった。

たぶん、誰も手を貸そうとはしないだろうけど。
いじめというよりは今は、無視に近い状態で誰も彼女のことを気に留めなくなっていた。


愛ちゃんは俯き加減で誰とも目を合わせず、席に座ってコンビニのおにぎりの封を開け始める。


「ウインナー、もーらいっ」

「ちょっと!遥!」


気を取られてた隙にお弁当箱からウインナーがひとつ消えた。

心の狭い私は、一緒に食べようと愛ちゃんに声をかけられなかった。