必ず、まもると決めたから。


サプライズで気持ちを伝えるほうがいいかもしれないけれど、好みでないものを渡して田中くんに迷惑がられても嫌だったので事前に伺いを立てることにする。


「欲しいものとかない?」

「別に、いらない」

「言うと思ったけど、ダメ。なんか言って」


田中くんは首を傾げたけれどその答えを聞くまでは引けないと、根気よく答えを待つ。

私の視線に耐えられなくなったのか、彼は言った。


「それじゃぁ、浅川町の花火大会に付き合って」

「え?」


やっと田中くんの口から出た提案に動揺する。

は、花火大会?それって…


「弟たち連れて行けって母親に頼まれてるんだけど、あんな人混み行ったらはぐれそうだから、一緒に同行してくれ」

それってなんか、デートみたい。
という気持ちはすぐに吹き飛ばされた。

弟さんも一緒ね…。

でも、

「うん、行く」


2人きりではないけれど、田中くんと花火大会に行けることには違いない。


来週に控えた花火大会は町内だけでなく、全国各地から人が集まる大々的なイベントだ。このファミレスからは15分くらいで行けるけれど、私はまだ一度も行ったことがなかった。


「楽しみ」

「ガキの子守りだぞ?」


嫌そうに言うけれど、家族思いの彼は本当にそうは思っていないのだろう。


浴衣…お母さんに頼んでみようかな。