必ず、まもると決めたから。


放課後、ファミレスで田中くんと待ち合わせをする。今日はバイトがないようで、明日の試験対策に付き合ってくれると田中くんの方から誘ってくれた。

今朝、休憩スペースから教室に飛び込むと私の机の上に一枚のプリントが置かれていた。昨夜、教えて欲しい箇所をメールで連絡していたが、その解き方が細かく記されていて、短時間でも吸収できる分かりやすさだ。

田中くんは机に伏していて目を合わせられなかったし、既に他の生徒が教室で談笑していて声を掛けられなかった。


しっかりお礼を言わないと。


私が告白しても、私たちの関係は変わらない。
ーーそれが、嬉しい。

新谷くんもそうであって欲しいと願う。




流行る気持ちを抑えて田中くんを待つ。
学校から直接、2人で来ようと提案したが田中くんは現地集合を選んだ。学校の人に2人で歩いているところを見られたくないということだ。


学校から1時間近くあるこのファミレスで知り合いに会う確率は少ないけれど、0%でもない。大丈夫かな…。

田中くんは何故、学校が嫌いなのだろう。


「お待たせ」


そう言って現れた田中くんに手を振って、好奇心を抑える。彼が話したくないことを詮索してはダメだよね。


「田中くん、なに飲む?」

「青山はなに飲んでるの」


向かいの席でバッグを下ろす田中くんにメニューを見せる。


「私は、アセロラ。最近、徹夜が多いからさ、ビタミンとらないとね」


「じゃぁ、俺もそれで。ちょっと酸っぱそうだけど」


酸っぱそうという単語で今朝のレモン炭酸水のことを思い出すが、2人きりの時間に水をさしたくなくて大悟のことは別の機会にすることにした。

今朝のことを話しても、きっと田中くんは心配するだろうから。

店員を呼び、アセロラとポテトなどの軽食を頼む。


「田中くん、今朝はありがとう。すごく分かりやすかった」


ファイルに入れて大切に持ち帰ったプリントを広げる。重要なところは赤字で記載してあるという徹底ぶりだ。


「それくらい、いつでもするよ」


「お礼をさせて。いつも私ばっかり勉強に付き合ってもらっちゃって。だからお礼がしたい」