必ず、まもると決めたから。


田中くんは黙ってテーブルを拭いた。2本目のソフトクリームは彼の胃袋に消えていた。


「…無理?そうだね。俺のことを思って桜誠が恋をしないことの方が、耐えられないよ。親友には幸せになって欲しいから。桜誠の幸せは俺の喜びだから。…なんか、危ない発言だった?」


俺、男には興味ないから。
そう付け加えられた言葉に、田中くんがクスリと笑った。


「まぁ、そういうことだから!2人とも俺のことは気にしないで?俺はモテるし、すぐに恋人もできる!でも俺は、恋の休憩時間だから。休憩してるだけだから、気にしないで」


「…新谷くん、」


なんだろう。彼に意見する立場にはないし、恋愛経験ゼロの私が言うべきことでないかもしれないけれど、私に打ち明けてくれたことだから、少しだけ口出しすると。



「新谷くんのその想い、お姉さんに伝えたらいいんじゃないかな。誰かに想われるって嬉しいと思うよ」


「そっかな?弟から告白されたら気持ち悪くない?」


「…新谷くんの好きな相手は、真剣に想いを伝えた弟を気持ち悪いと思う、そんな人なの?」


新谷くんの目が宙を泳ぐ。

少し彷徨ってから真っ直ぐに私を見た。


「………あの人は、"ありがとう"って笑ってくれる人だと思う……」


「そっか…新谷くんの好きな人は、素敵な人だろうね」


血の繋がらない少年に対して本当の弟のように接してくれる。それがどれほど素晴らしいことなのか、今の新谷くんには分からないと思うけれど、いつか受け入れることができればいい。


そして今は苦しくても、いつか新谷くんが新しい恋を見つけられたらいいな。