必ず、まもると決めたから。


無言で新谷くんの隣りに腰を下ろした田中くんの首に手を回しながら、彼は言う。


「誤解のないように言っておくけど、千咲ちゃんには桜誠が来るって伝えておいたよ。俺と2人だったら来ないでしょーあ、俺、このホットドッグで!」


「……」


彼の腕を乱暴に解きながら、田中くんはポケットからお財布を持って立ち上がった。


「青山は何にする?」

「あ、私も一緒に行くよ」

「俺、ココアも追加で!」


わがままに見えて、私のことを思って田中くんを誘ってくれた新谷くんには感謝しかない。


レジカウンターに向かう田中くんの後ろ姿を緊張しながら追い掛ける。


白いシャツと黒いパンツという清潔感溢れる格好で、パンツのポケットに手を入れて待つ姿をじっと見てしまう。


「ん?」

「あ、バイトお疲れ様」

「ああ」


かっこいい。好きだな。

私服姿の彼を見てそれしか感想が浮かばない。


「何にする?」

「えっとね、サンドイッチセットB」

生クリームサンド、タマゴサンドと飲み物がセットになっているものを選ぶ。学校でもサンドイッチを食べてるけど、飽きないほどに好物だ。


「飲み物は?」

「ストロベリーティーにする!」

「了解」


良かった、普通に話せてる。
愛ちゃんの一件がある前の私たちに戻っていた。