必ず、まもると決めたから。


「千咲ちゃん!こっちこっち」


深呼吸をした後に店内に入ると、甘い香りと新谷くんの声がした。


呼ばれた方に向かえば4人がけテーブルには彼しか座っておらず、マグカップもひとつしか置いてなかった。


「来てくれてありがとう」

「あ、いえ。お誘いありがとう」

「って言っても、桜誠目当てだろうけどねーバイトたから、もう少しで来ると思うよ」


新谷くんの向かいの席に腰を下ろす。


制服でない彼はオーラが増していて、ミントグリーンの半袖シャツに細身の白いパンツを履いていた。

パーマをかけた柔らかい金髪に高い身長、スタイルの良さ、そもそもその顔面偏差値の高さに店内の女性を釘付けにしている。


「よくひとりで待ってたね…」


空いている席に女性が勝手に座り込んでもおかしくない状況だ。それほど新谷くんは魅力的だ。


「ん?なにが?」


不思議そうに首を傾げる。彼の周りだけ爽やかな空気に包まれているような錯覚に陥るほど、彼の放つオーラはすごかった。