必ず、まもると決めたから。


ホームルーム後、担任の宮本先生から武藤先生が呼んでいるから職員室に行くように言われた。

聞かなくても分かる。
白紙で出した英語の小テストのことだろう。


はぁ。ついてない一日だ。

嫌なことは早く済ませてしまおうと急足で廊下を進む。


職員室の前に、武藤先生は居た。


「本当におまえは毎回、懲りないな」

「……」

「聞いてるのか」


壁に寄りかかり、面倒くさそうにしている大悟の前で武藤先生は腕組みをして小言を吐いていた。


校庭で大悟に馬乗りにされていた武藤先生を思い出す。数週間前からまた職場復帰した先生は凄いと思う。恐れる様子を見せず堂々と、大悟と普通に接していて大人だな。


「青山、おまえもこっちに来い」


私に気付いた武藤先生に呼ばれ、拒否するわけにはいかずに駆け寄り、大悟の隣りに並んだ。


「青山、お前はどうした?小テストなにも書かなかっただろう」


「すみません、体調が悪くて」


「そうか。それでもルールだからな。2人には特別課題を出す。明日の昼休みに持って来なさい」


先生から差し出されたプリントを大悟は乱暴に奪い取った。なにも言葉を発していないのに隣りから漂う威圧感が半端ない。

それでも今日は先生に楯突く様子はなく、ほっとした。


「永井、ちゃんとやるんだぞ。留年になるぞ」

「余計なお世話だよ」


そう言って大悟は大股で歩き出す。
武藤先生は溜息をついて職員室に戻って行った。