必ず、まもると決めたから。


背後から温もりを感じ、ふわっと甘い香りが漂う。そして首元に右腕を回された。


「ふぅん、君がそんな子だとはガッカリだね」


首だけ後ろを向けると、至近距離に新谷くんが立っていた。どうやら私は彼の上履きを踏んでしまったらしい。


「俺、君みたいな子、無理だわ」


抑揚のない声で新谷くんが刺すような言葉を愛ちゃんに向けた。


私は、その言葉に、新谷くんの言葉に救われた。


「………え、新谷くん、、…なんのこと」


田中くんの前では饒舌だった愛ちゃんがしどろもどろに言葉を連ねる。


「分からない?この子に嫌がらせしないでね?ってこと。千咲になんかしたら、可愛い君になにするか分からないよ、俺」


回された右腕を掴む。

この腕が、この人が、私をひとりにしないでくれた。


「返事は?」


新谷くんの追い討ちに愛ちゃんは遂に泣き出してしまう。顔を覆い、しゃくりを上げた。

田中くんは真っ直ぐに私たちを見ているように思えたけれど、その表情は暗い部屋と長い前髪のせいでよく分からなかった。