必ず、まもると決めたから。


なにそれ。
自分は散々嫌がらせをされて傷ついたはずなのに。確かに私は傍観者だったけれど、加わったことは一度もない。

そんな風に宣言できるくらい傷が癒えたんだね。


「好き?嫌い?」


言いながら愛ちゃんが乱暴にノートを置いたせいで、山が崩れて床に散らばった。



「…………ただの、数学係ってだけ」



田中くんが、小さな声でそう答えた。


呟くような声なのに、どうして。
どうして聞こえてしまったのだろう。



「そっかーそうだよね、そうだと思った!!」


薄暗い部屋には不釣り合いなハイテンションな声が響く。


今なら、加害者であった横田くんやあゆみちゃんの味方をしてしまいそうだ。

拳を握る。

たぶん私は此処にいない方がいい。

そう思って引き返そうと右足を後ろに出した拍子に、なにかを踏んだ。


「え?」


思わず、上げてしまった声に2人が一斉にこちらを振り返った。