必ず、まもると決めたから。


教室に遥がいなくて良かった。

きっと今の私の気持ちを察してしまうだろうから。

でも、ここで引き下がりたくない。
そう思った瞬間、足が動いた。


田中くんの隣りは愛ちゃんのものかもしれない。
でも、数学係は私の仕事だから。
それは譲れない。


早足で数学準備室に進む。


いつも田中くんが扉を開けてくれて、それを私が閉めているけれど、愛ちゃんはそうしなかったようだ。


準備室の扉は全開で、中から愛ちゃんの声がはっきりと聞こえた。


「ねぇ、田中くん。青山さんとはどうなの?仲良いの?」


中に入ろうとしたところで、自分の名前が飛び出して足を止めた。部屋の電気は消えたままカーテンも閉まっている。


「それとも、嫌い?」

「……」


愛ちゃんの問いには答えず、彼は無言のままノートを机に置く。


「ねぇ、無視しないで答えてよ」


愛ちゃんはその背中に再び問いかける。


「答えてくれないなら、青山さんに嫌がらせするから」


彼女は強く、そう発言した。