必ず、まもると決めたから。


コーヒーの香りが漂う店内で、可愛らしい犬のラテアートを写真に納める。


「熟練技って感じでいいねー」

「飲むのが勿体無いね」


4テーブルのみのこじんまりとした店内はゆったりとしたメロディーが流れ、年配のお客さん2組と私たちがほっと一息できる空間を共有している。


「でも冷める前に飲もう。いただきます」

「いただきます」


口元に泡をつけながら、まだ熱いコーヒーをゆっくり飲む。


「美味しっ」

「美味しいねーでも遥がこんなおしゃれなお店知ってると思わなかった」

「お姉ちゃんから教えてもらったんだ。千咲が話あるみたいだったし、絶対に学校の人が来ないところの方がいいなぁと思って」

「そうだね、ありがと」


火傷しないように少しずつコーヒーを飲みながら、遥に話す決意を固める。


「なんかさ、今日の新谷くんの話を聞いたら、すんなり受け入れられた自分がいて、ちょっとビックリした」


「遥、結構引いてたじゃん」


「でももしさ、自分が映画に出ることになって。それは嬉しいんだけど、初めての相手が好きな人でなくて仕事関係の人だったら、ちょっと悲しいかなって。それだったら一回きりでもいいから、本当に好きな人と思い出を作っておきたいかなって思ったよ」


愛ちゃんの世界のことは私たち普通の高校生には分からないけれど、同じように恋愛経験がない者からすると、彼女の気持ちは容易に理解できてしまった。


「新谷くんも愛ちゃんの気持ちを汲んであげたのかなって思うと、仕方なくない?」


遥はハート型のクッキーに手を伸ばし、明るくそう言った。