必ず、まもると決めたから。


彼の靴音と、雨音だけが聞こえる教室で誰もが新谷くんの話に囚われた。


「愛ちゃんが傷を負ったりしたら、元々の原因を作ってしまった俺が、傷つくと思って、桜誠は君を助けただけだよ。桜誠は優しいから、俺のために」


突然、田中くんのことを下の名前で読んだ新谷くんは本日、一番の笑顔で愛ちゃんに笑いかけた。


「ほら、一応言っておかないとさ。愛ちゃんが桜誠のこと、自分を助けてくれたヒーローと勘違いしていたら、申し訳ないからさ」


微笑みとは正反対な辛辣な言葉だ。



「……なにそれ、意味分からない。なんで京介くんのために、田中くんがそんなことするの?」


愛ちゃんが負けじと言い返すと、新谷くんは田中くんの肩に手を置いて言った。


「親友だからだよ」


は?
ますます話が分からなくなってきた。
途中から愛ちゃんでなく、クラス中を置いてきぼりにして新谷くんは話を進めている。


「目立ちたくないから、学校では話しかけないでって言われててさ。でも中学の時から親友です」


はにかみながら頬の近くでピースサインを繰り出した新谷くんと、呆れ顔の田中くんを交互に見る。


「でたらめ言うな、アホ」


田中くんはそう言って否定したものの、その声には親しみが込められていた。