「2人目は、新谷 京介くん」
「不思議なところある?確かにイケメンすぎるけど」
遥が挙げた新谷くんも1年生で、永井と同じように常に噂の的である。
こちらは良い意味で。
「あんなにカッコいいのに、彼女がいたことがないって言うでしょ?おかしくない?」
容姿端麗で、少年漫画から飛び出して来たかのように理想の男子だ。爽やかで明るくて性格も良いなんて、持っている人は全てを持っている。
「うーん、いつも女の子に囲まれているから、特定な彼女を作る必要もないんじゃない?」
「ちょっと、私、新谷くんのファンなんだけど?そんな遊び人みたいな言い方しないでよ。確かに女の子みんなに優しいけど、周りから寄ってくるだけで、新谷くんから女の子に話し掛けているところ見たことないんだよねー」
「見たことないって、新谷くんはA組で、うちのクラスから一番離れてるよ?」
「まぁ暇さえあれば、見てるし。目の保養だし」
「怖っ…」
思わず口に出た本音にバシッと、肩を叩かれる。
「ごめんごめん」
人のことは言えないか。
私も校庭でサッカーをする新谷くんを見た時には思わず立ち止まってじっと見てしまった。それくらい輝いた人だ。


