ホームルームの始まりを告げるチャイムが鳴ったが、構わず話を続ける。
「土曜日、ごめんね」
「いいよ、連絡を待ってはいたけどね」
「遥にも言ってなくて」
「そっか」
少し寂しそうに新谷くんは笑った。
"次の土曜日はどう?"とは言わなかった。
「千咲ちゃんはホームルームをサボるタイプじゃないでしょ。…またね」
「付き合ってくれて、ありがとう」
「いえいえ、いつでもどうぞ」
手を振って新谷くんと別れる。
どうやら彼はホームルームをサボるつもりらしい。
さっきよりもずっと身体が軽くなって、階段を上る足も軽快だった。


