立ち上がり、 止めようと口を開きかけ、 「止めろ」 それは、私の声じゃない。 ーー隣りから、低い声が聞こえた。 「危ないから、止めろ」 クラス中が静止した。 クラスで一番、言わなそうな人が、 今まで誰も言わなかったことを言った。 「もう、いいだろ。止めろよ」 田中くんは立ち上がり、クラスを見渡してそう言い放った。