必ず、まもると決めたから。


結局、新谷くんと話さないまま土曜日は過ぎ去った。まぁきちんと約束したわけでもないしね。


それに今、私は彼と冷静に話せる自信がなかった。


下駄箱から放り出されて床に転がる汚れた上履きを拾い、元の場所に戻す。


助けられもせず、ただの傍観者でいる私が可哀想だなんて簡単に口にしてはいけないけれど、やつれていく愛ちゃんを見てられなかった。

だからって、目を逸らす己を恥じずにはいられない。



「おはよ」


廊下ですれ違った横田くんは片手を挙げて笑ってきた。


「おはよう」


彼は、悪人ではない。

きちんと整えられた黒髪に眼鏡をかけた容姿を裏切らない真面目な性格。

クラス委員の仕事を文句も言わずやり遂げて、休んだ生徒には授業のノートを写させ、困っているクラスメートがいたら率先して話しかけるような人だ。

まだ入学して2ヶ月も経っていないその僅かな間でも、彼のいいところは沢山見えた。


それにクラスのみんなが彼に強要されて一緒に愛ちゃんを敵に仕立てているわけでも、その仲間にならない私を責めるでもない。

ただひとりひとりが自分の意思で動いているだけなのだ。