大通りを並んで歩く。
私より15センチくらい高い彼を見上げる。
「いつも送ってもらってごめんね」
「別に」
「海翔くんは元気?」
「相変わらずうるさいよ。また遊びに来れば?」
「いいの?」
「いいんじゃない」
金曜日だからか出歩いている人が多く、恋人たちの姿も見られる。みんなが笑顔で、もの悲しさを吹き飛ばすような楽しい夜だ。
「私と田中くんが会うのって、いつも夜だね」
「学校で会ってるだろ」
「でも田中くん、教室では全然話さないし…学校、嫌いなんでしょ」
「まぁな」
「もし夜道で偶然会わなかったら、こうして話すこともなかったってことだよね」
クラスメートそれ以上でもそれ以下でもない関係のままだったかな。それって嫌だな…。
「そんなことないだろ。俺とおまえは」
「そうかな?」
「そうだよ」
勉強や学校のことを考えると眠れないくらい憂鬱だったのに、彼といるだけで気持ちが明るくなる。
やっぱり私は田中くんのことがーー。


