必ず、まもると決めたから。


レジカウンターに近付き順番を待ちながら、さりげなく田中くんの弟さんを見る。

ハンバーガーを頬張りながら、ゲームに夢中だ。

もっとよく見たかったけれど、覗き込んで不審がられても困るので横顔で我慢する。
体型は細身で田中くんに似ていて、さらさらの髪の毛も同じだった。


アップルパイと紅茶を受け取って、席に戻る。

田中くんは本を読んでいた。


「弟さん見てきたよ。名前、なんで言うの」


「ヒスイ。空を飛ぶの飛ぶに、純粋のスイ」


十分近い距離なのに、ひそひそと会話する。


「壮大でいい名前…あ、邪魔してごめんね。私も静かに明日のテスト勉強するからね」

「別にいいけど、親、大丈夫なの」

「うん。きっと起きないと思うから」

「いつもこんな時間に出歩いてるの?」

「まさか、今日は眠れなくてたまたまだよ。それに明日は午前授業だし」


土曜日は午前中で学校が終わるから眠かったら昼寝をすればいいし。遥とランチを食べに行くこともあるけれど、明日は合コンって言ってたからな。


「……明日、どうするの」


「英語の小テスト?それが集中できなくて」


「…新谷のことだよ」


「………あ、忘れてた」


「は?」


そういえば愛ちゃんのことがあって、新谷くんと土曜日のことをすっかり忘れていた。

断りは入れた方がいいよね…もう明日だけど。