必ず、まもると決めたから。


愛ちゃんへの嫌がらせは日に日に増していった。

彼女が登校しない日に上履きが隠されて、登校すれば目の前で彼女の教科書が踏みつけられる騒ぎだ。


「みんな、新谷くんとのこと、本当にごめんなさい」


昼休みに愛ちゃんが深く頭を下げたけれど、冷めた目で失笑する生徒ばかりだ。


今、このクラスの大半が愛ちゃんへの敵意を剥き出しにしていて、私や遥、田中くんを含めた少数派が彼らに加わることをしない代わりに助けることもしないでいた。


「ちょっと顔が可愛いからって、ふざけるなよ。俺たちが毎日、真面目に授業を受けてるのに、仕事を理由にサボってることが、前からずっと気に入らなかったんだ」


横田くんを中心に愛ちゃんへの、もういじめと呼ぶしかない行為がエスカレートしていった。


「ちゃんと補講を受けてるよ……」


消え入りそうな声で愛ちゃんが反論すると、横田くんが飲みかけのペットボトルを彼女に向けて力一杯に投げつけた。


「そういうことを言ってるんじゃないよ。学校に来るなって言ってるんだ!今すぐ、辞めろよ!」

「辞めろ!」

「帰れよ!」


横田くんの言葉に同意するかのように口々に暴言が吐かれる。みんなが立ち上がり、はやしたてるような声と共に手拍子まで混じる。


遥と目が合い、彼女は首を振った。

田中くんの方を見ると、机に突っ伏していて話を聞いてるのかすら分からない。
こんな騒がしい中でよく寝てられるよ…。


遂に彼女が泣き出しても、この場には味方をする者は誰もいなかった。