「ねえ、またファミレスに誘ってもいい?」
「ああ」
「ありがとう!」
良かった、普通に話せてる。
「最近、母親の帰り早いの?」
「うん、6時前には帰ってくるよ。まぁまた来週から遅くなるみたいだけど…」
新しいプロジェクトが始まると申し訳なさそうにしていたけれど、同じくらいやる気に満ち溢れていた。
「それじゃ来週にファミレスで」
「いいの?」
「迎えに行く」
そう言い残して数学準備室を出て行った田中くんを目で追いながら、そっと手を握る。
新谷くんといい、田中くんといいーー男の子は深く考えずに気安く女の子に触れられるものなのだろうか。
こっちは、こんなにも意識しているのに。


