必ず、まもると決めたから。


彼女自身が蒔いた種だから仕方がないとは思うが、クラスに味方がひとりもいないのは可哀想に思える。


遥も愛ちゃんのことをよく思っていないから、私も数学のノートをとりながら見て見ぬふりをした。




「愛ちゃんのこと、みんなすぐに飽きるよね?」


数学準備室で田中くんと2人きりになった時、聞いてみた。

あの下駄箱の件から初めて田中くんと向き合うが、聞かずにはいられなかった。



「どうだろうな」


指定の場所にノートを置いた田中くんは素っ気なく愛ちゃんの話題に興味すらなさそうだ。


「消しゴム投げるとかさ、いじめに近いよね」

「そうだな」

「なんか可哀想で。でも助けようとしない自分がいて…」

「……」


愛ちゃんの肩を持つのは遥に悪い気がして…そんな風に言い訳をしているだけで、本当は巻き込まれることが怖いだけだ。あの消しゴムが自分の方に向かってくることを想像して、なにもできないのだ。


「田中くんは、助けたいって思う?」


「…俺には関係ないから」


何故だろう。
田中くんは愛ちゃんをーー助けるような気がしていた。
そしてそれを否定されて、安堵する自分がいる。