私はどちらかというと綺麗、と言われて育ってきた。

大人っぽいねー とか
色気あるねー だとか

…だから武器にした。


自分の魅力は武器にすべきじゃない?

て みんなそうやって生きてるんだよね…。


「 実桜 」

「ん?」

「腹へってない?どっか出て食べ行く?」

「んー…また撮られちゃうよ?」
クスッと悪戯に笑う


「大丈夫だよ、そんなに記者も暇じゃないから。てか、またって何だよ!またって。」

「あれー?旬のプレイボーイ俳優さんじゃないのー?」


「書きすぎなんだよ。あいつら、好き勝手…」

「あれ、ほんとのことじゃないのー?」

「ちがうよ。あの日はただ数人で飲んでただけだよ。一切なんもないし」


「ふーん…」
私はこの手の話題には冷たく返すけど
本当は好きだよ、そうゆうとこ。

そんなこと言えないけどね。


私は彼女でも何でもない、ただの愛人なのに。
必死で弁解してくれる。

そうゆうとこが嬉しいんだ。


「ルームサービス頼むわ、」

「うん。」

「何食べたい?」

「んとね、デザート」

「いきなりかよ。」

「だって好きなのー!パパはー?」

「このパスタと、オニオンスープとー、サーモンとー」

「…よく食べるのねー」


「更におまえも食べるけどね、」

私の肩に手が伸びてくる。

私はそれに答えるように軽く抱きつく。
そして彼の胸で目を閉じた。