「朱莉」
車から降りた私を追うように、修平が車の外へ出る。
「無理するなよ」
「うん。」
少し振り向いて、修平を見る。
本当に心配そうな顔。
「いってらっしゃい」
「行ってきます。」
困ったような、心配そうな顔をする修平は私に手を振る。
私も、修平を安心させようと、少しだけ手をあげてそれに答えた。

背中に修平の視線を感じながら私はいつものようにカフェに出勤した。
いつもよりも近い位置で修平が心配そうに私のそばを歩いている気配を感じていた私。

何年もそばに居るからわかる。振り向かなくてもどのくらいの距離に修平がいるのかが。