エレベーターの扉が閉まってから俺は朱莉がデリバリーしてくれたブラックコーヒーを手に、また仕事に打ち込むのだった。

仕事が終わった俺。
朱莉は残業も多い。

きっとお腹を空かせているはずだ。
近くのコンビニで肉まんを買って、朱莉の分が冷めないようにポケットに入れて彼女を待つ。
そして、彼女の姿が見えた瞬間・・・仕事の疲れなど一気に吹き飛ぶのだった。

「おいし・・・」
遠慮がちに口に肉まんを含んで、ほっとしたような顔になる朱莉。
その顔が見れるだけで、あー明日も頑張ろうと思える。
俺は単純だ・・・。

「じゃ、また明日」
「うん。」
いい気分のまま朱莉の部屋の玄関で手を振ると、朱莉は遠慮がちにその小さな手を振ってくれた。

十分だ・・・十分すぎる幸せだ。