結ばれない二人

いつの日からか、俺は隣に朱莉がいないと歩きにくさを感じるようになった。

少しでも距離があると、喪失感に似た感情が湧いてしまう。

手を伸ばせばすぐに守れる距離。

なのに、朱莉の手を握って近くにいないと俺が不安で仕方ない。



そんな俺の気持ちも知らず、振り返りもせずに朱莉は一階のカフェに入っていく。

何度もこうして朱莉の背中を見送ってきた。

でも、悲しい気持ちになってしまう俺は、相当・・・朱莉が好きで仕方ない。