「おはよう」
「おはよう」
思わず緩む表情を隠せないまま朱莉を見つめる俺。

あの頃のあどけなさも少し残る朱莉の顔。
表情は変わってしまったけれど、俺が好きな朱莉には代わりにない。

朱莉が俺に近づき、俺はいつものように朱莉が靴を履きやすいように朱莉の手を支える。
「ありがとう」
「うん」
朱莉はよく俺に『ごめん』と『ありがとう』を言うけれど、俺から言わせれば当たり前だ。

俺のせいで・・・

「これ」
その時、朱莉の指に絆創膏が巻かれているのに気づいた。