「風邪ひくぞ?」
「うん」
私は修平がくれた毛布に体をすっぽりとうめる。
「寒いんだろ?」
「・・・」
「図星」
「大丈夫だもん」
「バカ言え」
こういうときも、修平が立つのはいつだって私の右側。

近くばかりを見ていると、片目が見えないことでいろいろと疲れてしまう私。
でも、遠くの景色を見る分には平気になった。

「・・・お腹すいた」
この雰囲気をどう変えようか悩んだ私がふと口にした言葉に修平はふっと笑ってから「何が食べたい?」と私の顔を覗き込んでくる。
「・・・うどん」
「言うと思った。」
私の返事にまた笑いながら、修平は「用意できてる」と言って私の右手を握り部屋に入った。