ぐっすりと私の部屋のソファで眠っていた修平。
そっと気づかれないようにベランダで冷たい風にあたって、頭を冷やしたかった。

「また熱でるだろ」
と修平は私の体をそっと毛布で包む。ふわっとかおる修平のにおい。
「どうした?」
隣に並んで私の方を見る修平。
「ちょっとね」
私は自分の部屋のベランダから見える景色に視線を移す。
「仕事、ごめんね。」
視線を景色に向けたまま言うと修平も私の隣に同じようにして並んで景色を見ながら言う。
「俺の仕事はリモートの方がはかどるって知ってるだろ?移動時間が省けて、今日結構すすんだ。」
本当のことかもしれないけど、いつも私の体調や都合に左右されて、修平だって自由に仕事ができないことがあるのも申し訳ない。

ついさっき眠りにつくまで、ずっと抱きしめてもらっていたことや、修平の胸で泣いてしまったことが恥ずかしくて、申し訳なくて、まともに修平の顔が見られない。