「んー。やっぱり冷めちゃったな。ごめん。」
謝る必要など全く無いのに謝る修平…。
「ありがとう。いただきます。」
私は素直にお礼を言って、肉まんにかぶりついた。

「おいし…」
お腹はペコペコだった。
思わず出た言葉に、もう肉まんの最後のひと口を口に放り込んでいた修平が満足そうな顔をする。

今度、カフェで何かを買ってこよう…。

「動いても平気?」
「うん。」
先に食べ終わった修平は私にシートベルトをしてからハンドルを握り車を走らせた。

マンションに着くと、修平は先に車から降りていつものように私の右手を握る。
エレベーターも、抱きしめるように左の肩を支えてくれる。

5階の私の部屋のカードキーを開けて中に入ると、私が靴を脱ぐのを支えてくれる…。

「じゃ、また明日」
「うん。」
小さく遠慮がちに振る修平の手に、同じように手を振り返して、閉まる玄関の扉を見つめた。