朱莉の部屋に行っても誰もいない。
俺はすぐにマンションの入り口に走り、外で朱莉を待った。

しばらくしてひとり元気なく歩いてくる朱莉の姿を見た時、一気に感情が溢れそうになる。
「朱莉っ!!」
思わず大きな声で朱莉の名前を呼ぶ俺。
「どこ行ってたんだ!心配しただろう。電話も何回したか。」
俺の言葉に何も反応をしない朱莉。
泣きはらしたとすぐにわかる赤い瞳に心配が頂点に達する。

感情を抑えられない俺。次の瞬間・・・朱莉の手がゆっくりと俺の方に伸びて来る。
のばされた朱莉の手は俺の頬にそっと触れる。
ひんやりと冷たい朱莉の手。
一体どれだけ長い時間外にいたのだろうか。
どうやって帰ってきたのだろうか。

そして・・・どうしたのだろうか。