カフェの従業員専用の入り口に入っていく朱莉。

必死に仕事モードに気持ちを切り替えて、エレベーターに乗る。

「おはようございます。」
「おはようございます。」
俺に声をかけて来たのは最近入社した、松本順子。
大学を卒業したばかりで、俺が教育係になっている。
本当は佐久田が教育係をする予定だったのに、佐久田が急遽長期で大阪に出張することになり、仕方なく佐久田が戻るまでの間、預かることになった。

正直、仕事がしずらい。
自分のペースでできていたことも、彼女があれこれ質問をしてきたり、次々に彼女に仕事を教えないとならない。

俺はどちらかというと、自分のペースで仕事をしたいタイプで、誰かとペアを組んで仕事をするとペースがつかめず効率も悪くなる。

「体調、大丈夫なんですか?」