手を伸ばせばすぐに触れられる距離。

朱莉を傷つけるものがあれば俺はいつだってこの手を伸ばして、なんだってする。
どんなことをしても、たとえ悪役になろうとも、朱莉を守る。

もう・・・朱莉を傷つけたくない。

傷つけるものすべてから朱莉を守りたい。


華奢な体で、不自由な体で、それでも自分の足で必死に立つ朱莉。

もう何年も朱莉の笑顔を見ていない。

あの日以来奪ってしまった朱莉の笑顔。

心から笑っている朱莉を見るのは・・・もうないのだろうか。