「もう、私に縛られてたらだめだよ・・・。」
「何言ってんだ。何も俺は縛られてなんていないだろ。」
「・・・」
「どうしちゃったんだよ。朱莉。何があったんだよ。」
修平は困ったような顔をしてから、私を包み込むように抱きしめる。

でも、それ以上、修平が何かを言葉にすることはなかった。

ただ私を抱きしめ続けた修平。

体がすっかり冷えてしまった私をおんぶして、いつものように私の部屋に運ぶと、私をベッドに座らせて、転んだ時の膝の傷の手当てをしてくれた。

ずっと溢れ続ける私の涙。

強い言葉で修平を突き放すこともできるかもしれない。
でも、どうしても私にはできない。