そっと見てみると、田舎にしては随分と洒落た店構えの美容院だった。

私は安堵しつつ、失恋で髪を切るとは、随分古風だな…と思う。

それでも、やっと食べることも出来るようになったのだから、今日の夕飯はリナの好物にして、スタミナをつけさせたい。

青山くんからメッセージが届いていて、

「リナはどう?」

そうあったので、

「完全ではないけど、少しは元気出たのか、ご飯食べて美容院に行ったよ」

「よかった。陽子、ありがとう」

「どういたしまして」

そう返したあとは、夕飯の用意だ。

失恋だなんだと、ませたことを言ってはいるが、リナの好物はお子さまランチのようなメニューで、カフェに行っても甘いものしか飲まないところも可愛らしい。