一度や二度買っただけでは買えないって事かぁ…。

何でそんな人が私の婚約者になったんだろう…。本当に謎すぎる。お父さんも私の婚約で仕事でいい思いしてるみたいだし、婚約者にとって私との結婚のメリットはどこにあるんだろか…。

「古賀、残念ながら経済力じゃ、到底敵わない相手みたいだぞ。ははっ。」

「会長〜!僕、マジなんですからそんなこと言わないでくださいよー。僕だって将来は親父の後を継ぐ予定なんですからー。」

「琴乃さん、古賀くんなんて選んだらダメよ。」

「副会長まで…」

すっかり古賀くんは落ち込んでしまった。

「あはは。とにかくこの腕時計の片割れを持っている人が私の婚約者の可能性があるって事ですね!少しヒントをもらえた気がします。知多会長、ありがとうございます。」

「いや、大したヒントには…。でも、コレだけ貢いでるって事は琴乃ちゃんのこと、その婚約者さんなりに真剣なんだと思うな。なのに正体を隠してるって事はやむを得ない事情がある事は明確なようだね。」

「…と言う事は、相手が正体を明かすまでは詮索しない方が良いのかもしれませんよ?古賀ファン事件も琴乃さんの婚約者が処理したって耳にしましたし…。」

「古賀っち、琴乃ちゃんの婚約者に猛アタックしてるのバレたら消されちゃうかもぉ〜!!」

「…マジか。僕、消される気がしてきた…。」

「お葬式には参加しますよ。ふふっ。」

副会長の笑みが怖い…。

「さっ!ケーキも予約したし、古賀くんが消される前にクリスマスパーティよ!今年の最終登校日が12月24日だから放課後この場所で!もちろん琴乃さんも!」

副会長が予約したケーキをスマホで見せてくれた。

「私も参加していいんですか??」

「もちもちモッチー!琴乃ちゃんもパーティしよー!」

「そうそう!僕が消される前に〜!って、消されないからっ!」

「あはは、消されそうになったら俺が止めてやるよ!」

「会長〜!ありがとう〜!でも、どうやって?」

「えっ?簡単だよ。古賀は頑張ってるけど琴乃ちゃんに相手にされてないから無害です。って証言してやるよ!」

「そんなぁー…。」

落ち込む古賀くんを見て皆んなで笑ってしまった。