花嫁は婚約者X(エックス)の顔を知らない

「何か欲しいものがあるとかじゃなくて、彼氏ができた深雪さんが幸せそうで『いいなぁ』って思ったら声になってた!」

「ふーん。彼氏欲しいの?」

「うーん、どうなんだろう?好きな人はいたら楽しいだろうなって思う。」

「お前、婚約者いるじゃん、ハゲデブだっけ?」

「あー、その人、ハゲでもデブでも老人でも無かった。」

「はっ?だっ…誰が婚約者か教えてもらえたのかっ!?」

何故か真宮くんが驚いて慌てている。別に私の婚約者に興味ないだろうに…。もしや、ハゲデブだと思ってたのに、揶揄えなくなるのがつまらないのだろか?

「こないだ実家に帰った時に偶然来ていたらしくて、車で帰る姿をチラッとだけ見かけたの。だけど遠かったからハッキリどんな人かはわからなかっんだけどね…。」

「何だ…そう言うことか。」

「遠くから見ただけなんだけど、ハゲでもデブでも老人でもなかった。」

「…良かったじゃん、ハゲでもデブでも老人でもなくて。」

「…うん。」

一瞬、沈黙になっなが直ぐに騒々しくなった。

「真宮く〜ん!休憩終わりだよー!」

塚田さんが真宮くんを迎えにきたのだが、何となく睨まれているのを感じた。

「真宮くんモテてるみたいだね!」

「やきもち?」

「まったくそんな無いから!」

突然何を言い出すんだこの男は。

「ふーん。」

口もとだけ笑った真宮くんはそのまま塚田さんに連れて行かれた。