クルーズ船から寮に戻った後、とても疲れていたので直ぐにベッドに潜ったのだが、いろんな事がありすぎて中々寝付けないでいた。

真宮くんは偶然だと言っていたが、腕時計とドレスを話題に出したこと、私のドレスと同じ色のチーフを身につけていたことから生徒会長が婚約者だと言うことをまだ疑っていた。

問題は贈り物の金額だ。
御令息の集まるこの学校の生徒だとしても学生に出せる金額ではない。
高級品やブランドに疎い私でも想像がつく。

 やはり、余命宣告されたご老人説が正解なのか…?
 生徒会長はその孫とか?

婚約者の老人説と生徒会長説が頭の中で行ったり来たりしている。

寝返りをすると、向かいのベッドで咲良さんが寝ているのが見えた。

 咲良さん、柳くんに告白されたのかなぁ?

 告白と言えばB組の吉田くん…。塩澤くんの話だと私のこと好きらしいけど…。本人からは何も言われてないし…。どうしたら良いんだろ…。

 今日の真宮くん、普段より優しかったなぁ…。いつもあんな風に優しければ良いのに…。

パンク寸前の私の頭は、考える事を拒否したのか気がつくと朝になっていた。