花嫁は婚約者X(エックス)の顔を知らない

ダンスが終わると会場に3年生がメイン会場に入ってきたので、2年生は邪魔にならない様にしながら会場を出た。
ベストカップルの発表は閉会時に全学年まとめて行うそうだ。
それまでは立食を楽しんだり、クルーズを楽しんだり各々自由に行動できる。

先ほどのダンスの会場を出た後、私は真宮くんにエスコートされ立食会場に行った。

「おぃ、飲み物とってくるけど、お前もいる?その恰好じゃ歩きにくいだろ?仕方ないから一緒に取ってきてやるよ。」

ダンスが終わるとすっかり口の悪さが復活していた。

「ほんと?それじゃ、フルーツいっぱいのノンアルコールカクテルがいい!」

「はっ?何それ?」

「さっき、一年生のコが持ってたの。イチゴとオレンジが入ってるやつ。」

「分かった。そしたら、ここで待ってろ。直ぐにとってくるから。」

と言って真宮くんはバーカウンターへと歩いて行った。
普段は大人たちが使用するこのクルーズ船だが今日の乗船者はアルコールNGの高校生。クルーズ船側もそれを考慮しておりノンアルコールカクテルを沢山用意してくれていたので気分だけは味わえた。

邪魔にならないところに立ちながらも、咲良さんと深雪さんがいないか背伸びしてながら探してみる。いつもならスマホで連絡を取るのだが、ダンスの邪魔になるからとクラッチバッグをクロークに預けてしまっているので自力で探すしかなかった。