誕生日当日の朝ご飯は必ず苺がいっぱいのパンケーキにチョコペンで『HAPPY BIRTHDAY』と母が書いてくれた。さすがに18歳の誕生日になると恥ずかしさや照れが出てくるが内心は嬉しかった。
午前中に家族三人で外出をしプレゼントを買ってもらい、そして予約したレストランでランチを食べるのが毎年の誕生日の流れだった。
しかし、誕生日プレゼントを買ってもらった後、お父さんが運転する車はいつも行くレストランへと向かう道とは別の道を走っていた。
「あれ?レストラン予約したって言ってなかった??」
お母さんからのメッセージを確認した後に聞いてみる。
「予約してあるわよ、今年は成人だからいつもと違うところにしたのよ…。ね?おとうさん。」
「あぁ、そうだ。今日で琴乃も18歳だからな。」
バッグミラー越しにちらりと私を見ながらお父さんが答える。
成人になるのだからと奮発してくれたのだろうか?
いつものレストランでも両親にお祝いしてもらえれば十分嬉しいのに…。
と思いながら車の外を見ているとどこかで見たことがある景色が続いた。そしてついた場所は先日みんなでお花見をしたグランドクイーンホテルだった。
車のキーをドアマンに渡し両親に続いてホテルのロビーに入るとまっすぐにエレベータへと向かった。しかし、今回はレストランの利用なので真宮くんと乗った客室に向かうエレベータとは真反対の場所にあった。しばらく待つとエレベータの扉が開き家族三人で乗り込む。煌びやかな内装のエレベータに乗るといつも緊張してしまう。
階数表示が40となったところでエレベータは止まった。
エレベータを降りると正面にはレストランの受付とソファセットが2セット配置されていた。
お父さんが受付に声をかけに行ったので母と二人で空いているソファセットに腰を掛けてお父さんを待った。
しばらくするとお父さんがこちらにやってきて一緒にソファに座った。
「少しだけかけて待ってろってさ。」
お父さんも緊張しているのだろうか?座る位置が浅く微妙に姿勢が良かった。
3分も経たないうちに黒いスーツに身を固めた女性スタッフがこちらにやってきた。
「大変お待たせいたしました。ご案内いたします。お連れ様は既にいらっしゃっております。」
お連れ様??女性スタッフが何か勘違いしているのだろうか??
それとも家族三人で食事なのだと思っていたが違うのだろうか?
女性スタッフはレストランの入り口を通過すると螺旋階段を上り左奥の個室へと案内した。
見晴らしの良い部屋の中央には円卓が置かれ6席分のセットがされていた。
両親と同じ年代と思われるご夫婦が席から立ち上がり、ご主人の方が父のところへとやってきて挨拶をした。
「本日は成人おめでとう。いやぁ…内田君にはこの話を完全に断られるかと思ったが、無事にこの日を迎えられて良かったよ。」
「いや、そんな社長、ご子息の人柄があってこそです。」
一体このおじさんは誰なんだ?お父さん、社長って言ってるけど、どこの社長?ご子息って背中を向けて座っている彼のこと??
頭の中ははてなマークで溢れていた。
「琴乃、ずっと言えなくて悪かったな。こちらがお前の婚約者の『真宮晴翔』くんだ。」
お父さんに紹介され座っていた人物が振り返り立ち上がると、いつもクラスで見ている真宮くんが立っていた。
「婚約者として会うのは初めましてだね。琴乃、お誕生日おめでとう。」
「…どういうこと?」
午前中に家族三人で外出をしプレゼントを買ってもらい、そして予約したレストランでランチを食べるのが毎年の誕生日の流れだった。
しかし、誕生日プレゼントを買ってもらった後、お父さんが運転する車はいつも行くレストランへと向かう道とは別の道を走っていた。
「あれ?レストラン予約したって言ってなかった??」
お母さんからのメッセージを確認した後に聞いてみる。
「予約してあるわよ、今年は成人だからいつもと違うところにしたのよ…。ね?おとうさん。」
「あぁ、そうだ。今日で琴乃も18歳だからな。」
バッグミラー越しにちらりと私を見ながらお父さんが答える。
成人になるのだからと奮発してくれたのだろうか?
いつものレストランでも両親にお祝いしてもらえれば十分嬉しいのに…。
と思いながら車の外を見ているとどこかで見たことがある景色が続いた。そしてついた場所は先日みんなでお花見をしたグランドクイーンホテルだった。
車のキーをドアマンに渡し両親に続いてホテルのロビーに入るとまっすぐにエレベータへと向かった。しかし、今回はレストランの利用なので真宮くんと乗った客室に向かうエレベータとは真反対の場所にあった。しばらく待つとエレベータの扉が開き家族三人で乗り込む。煌びやかな内装のエレベータに乗るといつも緊張してしまう。
階数表示が40となったところでエレベータは止まった。
エレベータを降りると正面にはレストランの受付とソファセットが2セット配置されていた。
お父さんが受付に声をかけに行ったので母と二人で空いているソファセットに腰を掛けてお父さんを待った。
しばらくするとお父さんがこちらにやってきて一緒にソファに座った。
「少しだけかけて待ってろってさ。」
お父さんも緊張しているのだろうか?座る位置が浅く微妙に姿勢が良かった。
3分も経たないうちに黒いスーツに身を固めた女性スタッフがこちらにやってきた。
「大変お待たせいたしました。ご案内いたします。お連れ様は既にいらっしゃっております。」
お連れ様??女性スタッフが何か勘違いしているのだろうか??
それとも家族三人で食事なのだと思っていたが違うのだろうか?
女性スタッフはレストランの入り口を通過すると螺旋階段を上り左奥の個室へと案内した。
見晴らしの良い部屋の中央には円卓が置かれ6席分のセットがされていた。
両親と同じ年代と思われるご夫婦が席から立ち上がり、ご主人の方が父のところへとやってきて挨拶をした。
「本日は成人おめでとう。いやぁ…内田君にはこの話を完全に断られるかと思ったが、無事にこの日を迎えられて良かったよ。」
「いや、そんな社長、ご子息の人柄があってこそです。」
一体このおじさんは誰なんだ?お父さん、社長って言ってるけど、どこの社長?ご子息って背中を向けて座っている彼のこと??
頭の中ははてなマークで溢れていた。
「琴乃、ずっと言えなくて悪かったな。こちらがお前の婚約者の『真宮晴翔』くんだ。」
お父さんに紹介され座っていた人物が振り返り立ち上がると、いつもクラスで見ている真宮くんが立っていた。
「婚約者として会うのは初めましてだね。琴乃、お誕生日おめでとう。」
「…どういうこと?」