君の心が聞こえる。



時々見かけるセンパイの姿は、普段俺が話しているセンパイとはまるで別人のようにさえ見える。


ここからは見えないけど、また爆音で音楽でも聴いてるんだろうか。


少しくらい釣りしてみればいいのに。

……なんて、気づけばあの人のことばかり考えている自分に気が付いてハッとした。



あー、くそ。振り回されてる気しかしねぇ。


それもまた嫌ではなくて、そんな自分に苦笑した。




***


「お、来たね」


夜の自由時間。

俺は少し迷いながらも、昼間の小さな広場にやってきた。


芝生にゴロンと寝転がっていたセンパイが、俺を見上げる。


「こんな山の暗い場所にひとりとか、危なすぎるでしょ」

「ふふっ、それで心配して来てくれたんだ?」

「別にそんなんじゃねぇし」

「へーぇ」


クスクスと笑うこの人は、今絶対俺で楽しんでいる。