「うん、いいよ、それで」


ふふっと笑って、わたしは最後に頭をポンポンと撫でた。


ただ後ろから髪を触って、わたしが思ったことを勝手に話しただけだから。


君のその手が何か考えるように固く握りしめられていたことも、今は触れないよ。



「髪、触らせてくれてありがとう、メグくん」


そろそろ自由時間も終わる頃だ。

メグくんとの時間は名残惜しいけど、早く戻らないと。


「わたし、自由時間は必ずここにいるから」

「……へー、そう」

「メグくんも、いつでも来ていいからね」

「……ん」


最後までメグくんはこっちを振り向こうとはしなかった。


いつか、話してくれたら嬉しいな。


最後に「女の子は連れ込んじゃだめだよ」と一言念を押して、わたしは一足先に集合場所へと向かった。