「メグくん?」
もう一度名前を呼んでみると、メグくんはそのままわたしの右横から左横に歩く場所を変えて、左耳からもイヤホンを外してしまった。
「ちょっと、」
「これ、ゴールまで没収。俺がいなくなったらゆーりセンパイ、また爆音で音楽聞きながら登るんでしょ」
「う」
まさかの図星を突かれて、黙り込む。
だって、メグくんがいなかったらわたしは耳を使う理由がないもん。
それを言ったところで、どーせわかってもらえはしないんだけど。
「だから、一緒に行くよ」
「え?」
「せっかく絡みないはずのセンパイに会えたんだから、センパイが変人暴走しないように一緒に登ってあげる」
ニッと珍しく笑ったメグくんに、心臓がキュッとしたのは内緒。
周りから"どういう組み合わせ?"とか思われていても、耳が痛くても、メグくんがこうして一緒にいてくれればそんなのどうってことないのかもしれない。



