柄にもなく意識を集中してみる。
こんなこと、メグくん絡みじゃなきゃやらないんだから。
"やばいっ、早くしないと塾遅れる!"
"今日の宿題多いなー。誰か写させてくんねぇかなぁ。"
余計な音ばかりが流れ込んできて、クラクラする。耳が痛い。
やっぱり諦めちゃおうかな、なんて弱音を吐きそうになったけど、まさかのそれよりも先に方が付いた。
"あークソ。あいつはボコボコにするだけじゃ気が済まねぇな。"
「……見つけた」
玄関から1年生の教室につながる廊下の途中。
いかにも体育会系な体つきをした男の子が、ものすごい形相で歩いていた。
……うん、間違いない。あの子だ。
自分からは使おうとすらしなかったこの力に、今更助けられるとは思わなかった。



