「────ねぇ、なんでそんなに死にたいの?」



とある放課後の保健室。

肌けた制服を直してそそくさと女の子が出ていった頃合いを見計らって、わたしは勢いよく隣のベッドのカーテンを開けた。


「うわっ、びびった……。え、なに?」


突然のわたしの登場に目をぱちくりとした彼。

彼自身の制服も、髪も。ベッドのシーツも、まだグチャグチャなまま。


あぁ、今日でいったい"何人目"なんだろう。



「ねぇ、なんで?」

「えーっと、なんの話?」

「だから、君がそこまで死にたがってる理由よ」

「うんだから、なんの話?」


まったく意味がわからないといった顔で、のんきに彼は制服のボタンを留める。


またまた、とぼけちゃって。