────俺の心が聞こえると、ゆーりセンパイはそう言った。




『うん、楽しいよ』


3日前のあの日。

口には出さなかった俺の言葉に、センパイは返事をした。


突然のことで思わず固まった俺とは対照的に、直前まで顔を赤らめながら笑っていたセンパイの顔色が、一気に青白くなっていく。


その反応で、ただの不思議な偶然ではないことは理解できた。




「うん。そっか」


真っすぐに俺の目を見て打ち明けてくれたセンパイの瞳を、綺麗だと思った。


綺麗で、強くて。それでも、一瞬で壊れてしまいそうなくらい脆くも見える。


それだけしか返事をしなかった俺に、センパイは目を丸くした。



「……え」

「何?」


たぶん俺がこんな反応なのはさすがのセンパイも予想していなかったんだろう。


これでもかと目を見開いたセンパイの顔は、なんだか可笑しかった。