「行くよ」
「……えっ、ちょ」
パシッと手首を掴まれ、引っ張られる。
手から伝わる体温がもう懐かしくて、温かかった。
「ここなら、いいでしょ」
連れてこられたのは、いつもの保健室だった。
わたしとメグくんが毎日会っていたお気に入りの場所。
相変わらず中には誰もいなくて、わたしとメグくんのふたりきり。
「メグくん……手」
「あぁ、うん」
離してという意味で言ったのに、メグくんは返事をしただけで離してくれる様子はまるでなかった。
それどころか、さっきよりも強めに握られる。
「……あの、もう逃げないから」
「うん」
「だから、手」
「無理」
こっちを向いたメグくんが、わたしの目を見て言う。
"俺が、センパイと離れたくねぇの。"
「……っ」



